仕事の都合などでミャンマーに長期滞在する場合、車は是非とも所有しておきたいアイテムです。生活エリアがヤンゴンのような大都市圏であれば、バスやタクシーなどが利用できるので、車が無くてもとくに日常生活に支障はありません。
しかし日本で生活している時のように、公共交通機関を安定して利用できない現地情勢を考慮すれば、いざというときに備えて、移動手段は確保しておいた方がよいからです。
ただ、ミャンマーで車を所有しようとした場合、かなりの出費を覚悟する必要があります。なぜならミャンマーでは、国内産業の保護やインフラ整備を目的として、輸入車に対して非常に高い関税をかけているからです。

 

費用

輸入車に対する税率は、頻繁に変更されるため、具体的な数値は示せませんが、生産国や車種などに関わらず、現状の関税率は100%を超えると思っておきましょう。これは日本なら100万円も出せば買える車が、ミャンマーでは200万円以上もするということです。実際にミャンマーでは、走行距離が10万キロを超える中古の日本車が300~400万円ほどで販売されています。
また、ミャンマーで日本車を所有しようとすると、中古車以外の選択肢はなく、日本国内で購入するよりも、かなり割高になるという点を押さえておきましょう。
また、2018年以降はミャンマー政府の方針により、原則として右ハンドル車の輸入が禁止されることが決まっています。今後はミャンマー国内で日本車の価格がより一層高くなることが予想されるので、日本車の所有を検討している人は、できるだけ早めに決断した方が良いでしょう。

 

所有するのに必要な条件

ミャンマーで輸入車を購入する場合、かつては「輸入許可証」を取得する必要がありました。しかし現在ではこの制度は廃止されています。複雑な手続きなどを行う必要がなく、手軽に車を買えるようになったことは、現地で滞在する人にとっては朗報と言えるでしょう。ただ、その結果としてミャンマーでは、再び中古車価格が高騰しています。そのため現地で程度の良い中古車を探そうと思えば、かなり努力が必要となるかも知れません。
また、当然ですが、ミャンマーで車を運転する際には、ミャンマー国内で通用する免許証を取得する必要があります。現状としてミャンマー政府は国際条約には加盟していないため、海外で取得した国際免許はそのままでは使えません。したがってミャンマーで免許を取得するためには、ミャンマー国内の実技試験やペーパーテストに合格するか、国際免許をミャンマー国内で使えるように切り替える手続きが必要となります。
外国人がミャンマー国内で免許証を取得する場合は、後者の国際免許に切り替えを利用した方が便利です。国際免許証の切り替えはミャンマー国内の役所で手続きすることになります。手続きでは、局長あての運転免許取得の申請書をはじめ、母国の運転免許証の原本とコピーのほか、国際運転免許証の原本とコピーなどが必要となります。
それに加えて、登録手数料やパスポートの原本とコピーのほか、免許証を英訳した物や顔写真3枚も必要となるので用意しておきましょう。手続きは役所に外国人受付窓口があれば、そこを利用するとよいでしょう。具体的な書類の書き方などはサンプルなどが用意されているので、それと同じように記載しておけば問題ありません。局長あての申請書には、免許が必要な理由を記しておけば、通常は審査に合格することができます。
登録手数料は50,000Ksです。それに加えて、保険料5000Ksとスマートカード料2000Ksが必要となります。すべての書類の記載が終了した後は、責任者に書類を見せてサインをしてもらいます。そこで特に問題が無ければ審査は終了です。
書類の申請から国際免許の切り替えまでにかかる時間はおよそ3時間程度となっています。英語が話せない場合は、戸惑うことも少なくありませんが、基本的には日本で行う免許の更新手続きとよく似ているので心配ありません。ミャンマー国内で車を運転する予定がある人は、スムーズに手続きが行えるよう、日本に滞在しているうちに国際免許を取得しておくようにしましょう。

 

購入の際の注意点

車を購入するときには、割高だと感じても、できるだけ程度の良い車を選ぶことが大切です。なぜなら、ミャンマー国内では、日本と同じく車検制度があるためです。日本のように厳格な検査が行われているわけではありませんが、主要パーツにトラブルが発生した場合は、パーツの交換が必要となります。輸入車がメインのミャンマーでは車の維持費は非常に高額となるため、車を購入する際は、後々の維持費のことも考えて、できるだけ程度の良い車を選ぶようにしましょう。