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香港への海外赴任が決まったら?移住前にやるべきこと

日本から比較的近く、経済発展の著しい香港に支社や支店を置いている日本企業は数多くあります。ある日突然香港駐在の辞令を言い渡され、頭が真っ白になってしまうビジネスマンもいるでしょう。海外赴任するとなると、通常の国内の転勤とは勝手が違うことばかりなので事前の準備が欠かせません。自分一人ではなく、家族一緒に移住するとなれば尚更です。そこで、いざ赴任してから困ることのないよう、日本にいる間にやっておくべきことを解説していきます。スムーズに全ての準備を済ませるためにも、時間に余裕を持って計画的に取りかかることがポイントです。

パスポート・ビザの準備

まずやらなければならないのは、海外移住に必要となる正規の手続きです。国外に出るためにはパスポートが必須ですし、長期間の駐在となればビザも必要になります。
パスポートは作成するのに1週間から2週間程度かかるので、持っていない場合はすぐに申請手続きを行ってください。パスポートは航空券やビザを取得するために無くてはならないものなので、必ず有効期限内のパスポートが家族全員分あるか確認しましょう。
また、香港に駐在する場合は就労ビザが必要となりますが、申請してから取得まで最長で6週間もかかってしまうため、必ず赴任に間に合うように申請手続きを済ませることが重要です。

海外転出届の提出

さらに、海外転出届の提出や運転免許証関連の手続きも忘れずに行いましょう。海外転出届を自治体の担当窓口に提出しておくと、海外赴任している間の国民年金や国民健康保険、住民税などの各種支払い義務が免除されます。国民年金は任意で継続することもできますが、国民健康保険の方は強制的に対象外となるので、別途海外用の健康保険などに加入しておくと安心です。国民健康保険が抹消されると、休暇などで日本に一時帰国した際に病院にかかると、3割ではなく全額自己負担する必要があるので注意してください。

運転免許の更新

また、運転免許証は赴任中に更新時期が来ると更新はがきの受け取りや更新手続きが行えません。失効しても3年以内であれば海外赴任を理由に再交付することができますが、移住前に済ませておいた方が何かと安心です。海外赴任であれば通常の更新期間より前に手続きを行うこともできるので、運転免許センターなどに問い合わせてみましょう。香港でも車の運転をする予定の人は、忘れずに国際運転免許証を取得しておいてください。国際運転免許証があれば香港でも問題なく運転ができますし、通常の運転免許証のように香港での本人確認書類としても利用できます。

健康診断・歯科受診

必須ではないものの、やっておくと非常に助かるのが健康診断や歯科検診です。日本の医療水準は世界的に見て非常に高いにも関わらず、健康保険が充実しているため費用はそれほどかかりません。ところが香港の場合、医療水準は高いのですが利便性と費用の面で大いに問題があります。公立病院は費用が安い代わりに待ち時間が異常に長く、救急外来でも6時間待ちが当たり前と言われるほどです。私立病院は待ち時間が短いものの、費用は非常に高額で簡単な手術でも何百万円もかかるほどです。このため、日本にいるうちに健康診断や歯科検診を行い、不安な部分の治療を済ませてから移住することが重要なのです。

家探し

また、香港で暮らすための家探しも欠かせません。会社によってはあらかじめ家を準備してくれることもありますが、基本的には自分で探すことになります。香港の場合、地域によっては大気汚染が非常に深刻なので家探しにも注意が必要です。工場の近くなどは避け、できるだけ快適に生活できるようライフラインが整っており、なおかつ、ショッピングモールなど商業施設が充実した地域を選びましょう。加えて、日本と比べると治安が良くないので、24時間警備員が常駐しているなどセキュリティの高い家にすると安心です。その他に、香港には日本からの駐在員も多いので、日本人がオーナーの物件も多くあります。つい日本人の方が安心かと思いがちですが、日本人オーナーは普段は香港にいないことが多いので注意しなければなりません。物件にトラブルが起きた場合、日本人オーナーだとすぐに連絡がつかず、修理や対応に困ってしまうこともあります。不便な思いをすることも多いので、現地に詳しい香港在住のオーナーがいる物件にしておきましょう。

子供の転校手続き

子供も一緒に移住する場合は、学校の転校手続きも必要です。日本の学校や教育委員会に相談した上で、香港の学校にも連絡を取りましょう。香港は日本からの駐在員が非常に多いので、地域よっては日本人学校もあります。赴任期間が短い場合などは、帰国した後のことも考えて日本人学校に転校すると良いでしょう。

水道・ガス・電気などの解約

移住の直前には、契約していたライフラインの解約も行ってください。水道にガス、電気やインターネットプロバイダに携帯電話など、継続利用していたものも必要なくなるので解約手続きが必要です。プロバイダからルーターなどをレンタルしていた場合は、自分で返却しなければならないので早めに手配しておきましょう。携帯電話については、香港でも引き続き使用できるキャリアやサービスもありますが、料金が高額になりがちです。香港にも携帯電話を取り扱う企業はあるので、手間はかかりますが現地で新しく契約した方が安く済みます。

保険の確認

生命保険や医療保険などに加入している人は、その契約が海外赴任中でも保障可能かを確認しましょう。駐在期間中は保障対象外となっている保険も多く、そのままにしておくと保険料を損してしまいます。保障可能であれば帰国までそのままにしておいても構いませんが、そうでない場合は忘れずに解約手続きを済ませてください。任意の自動車保険も必要なくなるので、同じように解約しておきます。

現地での銀行口座の開設

香港で使用する銀行口座も、事前に開設しておきましょう。香港に支店を持つ日本の銀行も多いので、それを選ぶと便利です。香港の銀行でも構いませんが、給与の受け取りの関係で会社側から特定の銀行を指示されることもあるので、まずは会社に確認してみてください。インターネットバンクも汎用性が高いので、同時に口座を作っておくと良いでしょう。

クレジットカードの作成

クレジットカードは、香港に限らず海外赴任する際に非常に役立ちます。ショッピングや公共料金の引き落としに利用できるのは言うまでもなく、海外保険が付帯していれば病院を利用した場合や盗難に遭った場合に補償が受けられる可能性もあります。店舗によっては使用できないクレジットカードもあるので、できれば2種類以上作っておくと安心です。日本で使っていたクレジットカードが香港では使えないものだった場合、そのまま持っておいても紛失や盗難の危険があるので解約手続きを済ませてください。

郵便物の転送

郵便物の転送サービスも、忘れずに行っておきましょう。転送サービスは国内の引っ越しだけでなく、海外への移住でも利用可能です。移住後に大切な書類が届いた場合でも、転送サービスを申し込んでおけば香港まで届けてくれます。海外なので手元に届くまで時間はかかりますが、それでも届かないよりはずっと助かります。

不動産の処分

マイホームを購入しているなど、不動産資産を所有している場合はそれも処分しなければなりません。数年で帰国する予定なら期間限定で賃貸に出しても良いですし、管理が面倒な場合は売却するという方法もあります。利便性の高い土地なら物件としての価値が多少低くても購入希望者は多いので、賃貸でも売却でも損はしないでしょう。逆に人気の低い土地はなかなか借り手や買い手が見つからないので、処分を済ませるまでに時間がかかってしまいます。この場合は、香港に移住した後も引き続き不動産会社などとやり取りをしなければならないため、関係各所に香港の連絡先を伝えておきましょう。

日本でしか入手できないものを購入

出発の直前には、香港での生活に役立つ品物を買い込んでおくことも大切です。
例えば家電は日本製品ほど高品質なものはないので、炊飯器や電子レンジ、掃除機なども現地で購入するより日本で買ったものを持って行った方が良いでしょう。
大気汚染が酷い香港では、特に高品質の空気清浄機が欠かせません。1つの部屋に2台も3台も設置するのが当たり前の光景なので、本体だけでなくフィルターなどの付属品も忘れずに用意しておきます。
また、ちょっとした日常の常備薬も香港ではほとんど売られていないので、日本で使い慣れたものをまとめ買いしておいてください。頭痛薬や胃腸薬、目薬に湿布など、普段使うものもそうでないものも、念のために持って行きましょう。香港の私立病院は日本より医療費が高いので、軽微な症状であれば常備薬で済ませる必要があります。
食材も日本の味付けとはかなり異なるので、慣れるまでは日本のものを準備しておくと良いでしょう。特に調味料系は好みが分かれるため、味噌や醤油、出汁などは大量に買って送っておくと役立ちます。送る場合、航空便では輸送費が高くつくので船便にするのがポイントです。船便は届くまで時間がかかりますが、その分コストが安く済みます。香港にも日本の大手スーパーがあるので日本の食材も手に入るのですが、価格がかなり高いので注意してください。

 

友人・知人への挨拶

その他にも、意外と忘れがちですが、友人や知人などへの挨拶も必ずやっておくべきです。一度香港へ赴任すれば数年間は戻って来られませんし、友人や知人から連絡を取るのも難しくなります。急に連絡がつかなくなったと心配させてしまうので、電話やSNSで香港へ赴任することをしっかり伝えておくことが大切です。また、お世話になった人へは、菓子折りなどを持って直接挨拶ができるといいでしょう。

 

まとめ

このように、香港へ赴任する前にやるべきこと、やっておいた方が良いことは数多くあります。国内の引っ越しとは違い、やり忘れたまま香港へ行ってしまえば簡単にカバーできないので非常に面倒です。中でも、料金が関わるものだと、大きなトラブルになってしまう可能性もあります。後悔せずスムーズに新生活を始めるためにも、それぞれの項目ごとに詳しい手続き内容をチェックし、準備を万端にして出発するようにしましょう。

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