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ベトナムの生活費は平均いくらくらいかかるの?ホーチミン版

「ベトナム・ホーチミンに駐在するんだけど、治安が良くて日本人に人気のエリアはどこ?」
「ホーチミンで日本の食材を買うとどれくらいかかるの?」

ベトナムは面積32万平方キロメートルに及ぶ、南北に細長い国です。
首都は北部のハノイですが、ベトナム最大の経済都市は南部のホーチミン市で、近年著しい経済発展をとげています。

公用語はベトナム語ですが、歴史的に中国からもフランスからも影響を受けているので、漢字を起源にしていますが、表記はアルファベットに近いです。

ホーチミンが位置するベトナム南部は5月~10月頃を雨季、11月~4月を乾期とされていることが多いですが、年間を通して気温は高く、最近では気候変動のため乾季でも雨が降ることがあります。
一年中半袖でも十分ですが、日差しを避けるために上着や帽子などがあると便利です。

多くの日本人が観光で、そして仕事で訪れるベトナムは、アジアの中でもなじみのある国の一つです。
そんなベトナム・ホーチミンで生活するとなると、一か月あたりどのくらいの費用がかかるのでしょうか。

この記事では、ベトナムに移住や、駐在する予定のある方に向けて、ホーチミンで治安がよくおすすめの居住エリア、家賃の目安、水道光熱費、インターネット費用、食費、医療費、交通費などの生活費用について説明していきます。

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住宅事情と家賃

<Photo by Phan Hoang Phe on Unsplash>

現在ホーチミンには10,000人を超える在留邦人が住んでいて、その数は現在も増大し続けています。

ホーチミンで日本人に人気のエリアは、立地やアクセス、そして治安の良さに優れている以下の3エリアです。
・古くから日本人が多い市内中心部のレタントン
・ホーチミン市南部の計画都市フーミーフン
・最近若い世代の日本人に人気の市内ファンビッチャン

エリアごとのコンドミニアム(2LDK 80~100平米)の家賃相場は以下の通りです。

レタントン 16.5万~32.5万円(1,500~3,000USD)
フーミーフン 13万~21.5万円(1,200~2,000USD)
ファンビッチャン 13万~21.5万円(1,200~2,000USD)
*多くの不動産ディーラーではUSドルで価格設定されています。

多くのコンドミニアムでは、プールやジム、プレイルームも完備されています。また、1階にレストランやカフェ、ミニスーパーなどがあるところも多く、とても生活しやすい環境といえるでしょう。
オーナーによりますが、家具家電完備の物件が多く、交渉次第では好みの家具を初期に揃えてくれることもあります。

通常は1年の賃貸契約です。中途解約では違約金が発生することが多いです。家賃1月~3ヶ月分の前払いと、敷金(通常、家賃の2カ月分)の支払いが必要な物件が多いので、初期費用は計算しておかなければなりません。

また最近では、特に単身者の短中期契約をターゲットにして、少し床面積は小さいですが、室内清掃や洗濯のサービスが付いてくるサービスアパートメントも増えてきました。室内清掃の回数によって大きく価格が異なりますが、床面積あたりの賃料の相場目安としてはコンドミニアムのおよそ倍くらいです。

ホーチミンの家賃は決して安くはないですが、日本の都市部では考えられない部屋の広さや設備を考えると、納得できます。充実したホーチミンライフを送るためにも家選びは慎重に検討しましょう。

医療費

<Photo by Adhy Savala on Unsplash>

ベトナムでは病院によって医療のレベルに大きな差があります。

ホーチミンのような都市では、近代的な医療設備を備えた私立病院やクリニックが増えています。近年は日系クリニックや日本人スタッフが勤務している医療機関も多いので、安心して受診することができます。
一方、ホーチミンなどの大きな都市以外のエリアでは、ベトナムの医療水準は高いとは言えず、公立の医療機関はスタッフ、医療機器が慢性的に不足していますし、いつも混雑しています。

私立病院は、日系やフランス系などの外資系病院も多く、日本人医師による診察あるいは日本語通訳によるサービスなどが設けられている病院も多いです。公立の病院はベトナム語しか通じないことが多いため、基本的にホーチミンに滞在する日本人は、私立の病院を利用しています。

ホーチミン在住の日本人がかかる代表的な病院は、フランス系資本ですが日本人通訳が駐在するFVホスピタルが有名です。

中心地から南に少し離れたところにありますが、施設はホテルのようにきれいな病院で、診療科も多く設備も整っているので、他病院から搬送されるケースも多いです。
シンガポール系資本で、日本語ホームページもあるラッフルズメディカルホーチミンも日本人常駐医師の対応の良さで評判です。

他には、ホーチミン市街の行きやすい場所にあるファミリーメディカルプラクティスも、大きな病院で利用者が多いです。
こちらでは日本人の医師、看護師が常駐しており、診療科も多く設備も整っていますし、緊急対応も日本語ホットラインで受け付けてくれます。

ベトナムは交通事故が多い国なので、健康面に不安がない方でも、あらかじめ高額の医療費にも対応できる保険に加入しておくと良いでしょう。
また蚊を媒介とした感染症は、ベトナムを含むアジアや南米など年間を通して高温多湿な地域では一年中、感染のリスクを伴います。

ベトナムは社会主義国家ですので国民皆平等の考え方が強く、社会的弱者といわれる人でも加入できる保険が充実しています。

ただ、カバーできる額を考えて、多くの日本人は、日本の国民健康保険、海外旅行保険、または民間の健康保険に加入しています。民間の健康保険で代表的な商品はリバティ保険のヘルスケアで、日本語の説明もあり分かりやすく、保険料が日系の保険会社に比べ半額程度です。

1人月額約5,000~8,000円で加入することができます。

水道・光熱費

年間通して気温が高いため、電気代もそれなりにかかってきます。

下記は光熱費、水道費の平均的な出費です。

光熱費:約5,400~13,000円(約50~120USD)
水道費:約3,200円(約30USD)

日本とあまり変わらないぐらいの費用がかかる感覚です。

インターネット、通信費用

ベトナムでは、携帯電話は月500円程度でインターネット使い放題のプランに入ることができ、通話代を合わせて一般的には月1,000円程度、多い人でも月額の通信費は2,000円程度になります。

インターネット費用が契約に含まれている、サービスアパートメントやコンドミニアムも少なくありません。

契約にインターネットが含まれていない物件や、含まれていても通信スピードの問題などで、自分でインターネットを契約する場合は、最大手のプロバイダであるVNPTで、月額の費用は約2,100円(450,000ベトナムドン)のプランが一般的です。

食費

<Photo by Natalia Mok on Unsplash>

ホーチミンで、日本とまったく同じ食事を自炊したいと考えると、かなり割高になります。
みりんや料理酒などの日本食でしか使われない調味料などは、日本の3~5倍程度の費用がかかるからです。

ローカルレストランで食事をする場合であれば、朝食やランチに人気の、フォーやバインミー、ブンボ―などは60円~200円(12,000~43,000ドン)で食べることができます。夕食も、ビール一杯80円程度(15,000ベトナムドン)なので、複数の料理を注文しても1食500円から1,000円(105,000~210,000ベトナムドン)程度に収まるでしょう。

ホーチミン市内には日本料理店も充実していて、ラーメンなどは日本より若干安めの700円(150,000ベトナムドン)程度、日本食の居酒屋では日本と変わらない価格で飲食できます。またベトナムには、中国から移り住んだ人が大勢住んでいることもあり、ベトナム料理と変わらない金額で中華料理を食べることができるため、中華好きにはたまらない環境です。

食事の後のコーヒーも、おしゃれなローカルカフェで、日本人にも人気のベトナムコーヒーを一杯100円~150円(21,000~32,000ベトナムドン)で飲むことができます。毎日ほぼ外食で、日本レストランにもよく行く人で月4万円(850万ベトナムドン)といったところです。

交通費

<Photo by Raphael Rychetsky on Unsplash>

ベトナムのイメージといえば、大量のバイクが入り乱れている映像をイメージする方も少なくありません。

平日のピーク時には、バイクが立ち往生してしまうほど大きな渋滞が起きる道路もあり、あまり安全とは言えない状況です。事故への心配から、自家用車を所有しない日本人も少なくありません。公共バスは走っていますが、正確な時刻表もないバスでの移動は難しいでしょう。
ほとんどの日本人が、タクシーかセオム(バイクタクシー)を使っています。

都市部では、ほとんどの人が配車アプリを使ってタクシーを利用しています。おすすめはGrab(グラブ)で、ベトナムでは圧倒的なシェアです。
メリットは、配車の時点で金額がわかるので法外な値段を請求される心配がないこと、アプリに住所を入力して呼ぶので、ベトナム語で会話できなくてもいいことです。
また、アプリでドライバーを評価する仕組みがあるので、流しのタクシーと比べてドライバーの態度が良いことも挙げられます。
タクシーの初乗り料金は、50円弱(10,000ベトナムドン)と日本と比べてかなり安く、気兼ねなく乗れるので有効な移動手段です。
また、Grabでは、バイクタクシーも呼ぶことができます。
市内の移動であれば、100円もかからないので、タクシーよりさらにお得でおすすめです。

平均的な交通費は、月6,000円~10,000円(130万~210万ベトナムドン)ほどになります。

まとめ

<Photo by Tuan Nguyen on Unsplash>

ホーチミンでの平均的な生活費を合計すると、月額272,000円です。

家賃 200,000円 レタントンエリア コンドミニアム 2LDK
医療費 8,000円 民間医療保険加入
水道・光熱費 13,000円
インターネット 3,000円
食費 40,000円
交通費 8,000円
合計 272,000円

日本人の長期移住が多い東南アジアの中で、東洋の小パリと呼ばれるベトナムのホーチミンは、生活費に関しては思ったほど安くはありません。

ベトナムで生活をする場合、出費の割合としてウェイトが高いのは家賃です。

ベトナムのなかでも、南部、特にホーチミンの人たちはとりわけ明るく、人を気遣う優しい人たちが多い印象ですが、それでも見知らぬ土地で外国人として生活するうえで、犯罪に常に気をつけておく必要があります。
自分と家族の安全を確保するためにも、ある程度の家賃をかけても安全で治安の良いエリアを選びましょう。

特に、移住したばかりは、こまごまとした買い物や事務的な用事で出歩くことも多いので、自宅の周囲のエリア選びは大切です。
また、初期の必要品購入に意外にお金がかかるので注意してください。

もし滞在初期の準備に、そこまでお金と時間と体力をかけられない、ということであれば家具、設備付きマンスリーマンションのサービスアパートメントを利用するのも有効な手段です。
水道・光熱費やインターネット費用も含まれていますし、セキュリティも万全ですのでおすすめです。

 

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