香港は日本に比べると小さな国で、交通網も発達しており、日本ほど自家用車を必要とする人は多くありません。ですが、小さいお子さんがいる家庭や郊外に住んでいる方は車を必要とする方もいるかと思います。

今回は香港で車を所有するにはどういった手続きが必要か、費用はどのくらいかかるかをご説明します。

 

■登録税(車輛首次登記稅

香港では関税や消費税はありませんが、新車を登録する際に税金がかかります。

初回登録税は、その車の価値に対し最初の150,000HKDまでは40%、次の150,000HKDまでで75%、次の200,000HKDまでの場合は100%、それ以上は約115%の税金がかかります。

 

■所有権の移転 ※中古車の場合

中古車を購入した場合は、購入後運輸局に行って所有権を移転する必要があります。保険の書類、住所証明、香港ID、登録書類が必要となります。この手続きはどの運輸局でも手続き可能です。手続きにかかる時間は30分から1時間程度で、手数料は1,000HKDです。新車登録税を納税済みの中古車は、高額な新車登録税を払う義務はありません。

 

■自動車保険・車両登記の手続き

自動車保険の加入と車両登記手続きは必須ですが、必要な手続きは販売業者が行ってくれます。自動車保険は、任意保険・強制保険の区分はなく、加入義務のある強制保険に加入します。保険会社は自由に選択できて各保険会社の競争が激しいため、保険料は高くないでしょう。150,000HKD程度の車両保険を入れて対人、対物無制限の場合は年間保険料は5,000HKD程でしょう。

車の保険はオンラインで購入可能ですが、車の登録情報が必要となります。オンライン申請で無事故無違反割引を得ると最大60%程オフになります。日本での無事故割引も継続可能です。

車両登記は、ナンバープレートの番号・所有者車の詳細・初回登録日などが記載されます。この書類(現地語では”車輛登記文件”)は毎年更新が必要で、更新料が排気量1,500ccの場合約4,000HKD、1,500ccから2,500ccの場合は約6,000HKD程かかります。

支払いが済むと更新した書類と小さな紙が発行されますので、この小さな紙をフロントガラスに見えるように貼っておく必要があります。更新しないままだと違反になりますので注意しましょう。

初回登録から8年を経過した車に検車と呼ばれる検査が義務付けられています。この検車を通過しないとVehicle Registrationの更新ができません。検車は日本でいうところの車検のようなものになり、街にある自動車修理業者に依頼できます。政府の定める検車の費用は530HK$です。

 

土地の価格が高い香港は月極駐車場代が高いです。場所により駐車場代は異なりますが、月に2000~3000HK$程度かかると考えましょう。月極駐車場は高いですが、時間貸しの駐車場はそこまで高くありません。繁華街でも1時間25HK$程度でしょう。繁華街以外の地域の場合は20HK$程度です。香港の中心部でも買い物をすると駐車場代がかからない場合もあります。

 

維持費としてガソリン代については、香港ではShell、Esso、Caltex、中国石油などのガソリンスタンドが主流で、基本的にどこでガソリンを入れても同じくらいの料金になります。香港のガソリンは日本と同様にレギュラー、ハイオクと存在しますが、オクタン価が高い傾向ににあるため、メルセデスなどの高級車にもレギュラーを入れている人が多いです。

 

中古車の購入を希望する場合は街中にたくさんある中古車販売店などで購入してもいいですし、九龍湾の国際展貿中心にある中古車展示場で購入する人も非常に多いです。この展示場は多くの販売店が入っているため、数多くの中古車をチェックできますし、たくさんのお店の中から比較できて、大変便利で人気です。また、提示価格よりも安くなるケースもありますので交渉してみるのも良いでしょう。

印鑑登録や車庫証明などは香港にはありませんので、契約後数日で車両は引き渡されます。保険については購入した中古車店で一緒に手続きをしてくれることも多いですから疑問点や不安点があればお店の人に相談してみましょう。購入前によく車の程度を観察することも必要ですが、それでも故障することもあります。1ヶ月くらいの保証をしてもらいましょう。