香港は、アジアでもトップレベルの学力を誇ります。OECD生徒の学習到達度調査(PISA)や国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)といった世界的にも権威のある国際学力調査で、日本を凌ぐ結果を出すことも珍しくありません。世界各国から人が集まっており、教育熱が非常に高いです。今回は香港へ移住をするご家庭に向けて、香港で小学校を選ぶ際に気をつけるべき点を紹介します。

小学校の種類と学費

香港の小学校には公立、インターナショナルスクール、日本人学校といった種類があります。それぞれに特徴があり、学費にも差があるので、子供の状況や家庭の事情に合った学校を選ぶのが大切です。
香港の公立小学校は、日本の公立小学校と同様に、国が定めた基準に沿って、教育委員会の指導の下、各学校ごとにカリキュラムが組まれています。また、香港でも小中学校は義務教育に当たり、学費は無償です。しかし全くお金がかからない訳ではありません。例えば教科書は、無償にする地域が増えつつありますが、基本的に有償です。
様々な外国籍の子供が集まるインターナショナルスクールは、香港の場合でもやはり高額となります。多国籍な生徒構成ゆえに少人数制を取らざるを得ないなどの理由があるからです。学費は年間で250万円くらい見積もっておいた方がいいでしょう。
日本と同じような教育を行う日本人学校は、インターナショナルスクールほど学費はかかりません。それでも公立小学校よりは明らかに費用がかかります。入学金で5万円ほど、年間の学費で60万円ほどです。
これらの費用はあくまで目安にし、最新の情報については各学校に問い合わせてください。

日本人には馴染みが薄い受験システム

香港の公立小学校の受験システムについて聞いたことはありませんか?日本とはかなり仕組みが違うため話題にされることも少なくありません。日本の場合、公立小学校に入学するのは簡単です。学校ごとに設けられた通学区域内の学校を選び、入りたいところに入れます。日本では一般的に、この学区制なのです。
ですが、香港の公立小学校は全く違います。親は、希望する公立小学校をいくつか選び、各学校に入学申請書を提出します。第一希望だけでなく、第二、第三希望まで選ぶのは合格するとは限らないからです。第一希望に合格すれば問題ありませんが、第一志望で合格通知を獲得できる子供はわずか4割程度です。残り6割ほどの子供は、第二、第三希望を受験することになります。それでも合格通知が届かなかった時は、政府のコンピュータによる抽選で決定されます。そして、ここでも選ばれなかった場合は、まだ受け入れ枠のある公立小学校、言い換えるなら、多くの人達が入学を希望しなかった人気の低い公立小学校に割り振られてしまうのです。
ただし、全て運任せというわけではありません。優先枠というものも存在します。それは「兄弟がこの学校の生徒である」とか「親がこの学校の職員である」などでポイントがつき、大量のポイントを獲得できれば優先的に入れる枠のことです。こういった合否の決定方法は日本人には馴染みがないので注意が必要でしょう。

学校の種類によって変わる授業内容と言語

学校での授業内容、特に言語の学習環境については、学校の種類によって大きく変わってきます。もし自分が英語が得意ではないから、子供には上手になってもらいたいと思う場合は、インターナショナルスクールがお勧めです。インターナショナルスクールの授業は英語で行われますし、様々な国籍の子供達が集まるため英語が母語という生徒も少なくありません。勉強の場、遊びの場で習得していけるでしょう。授業内容も欧米式のところが多いです。
公立小学校の場合、一般的に地元の子供達が多く通い、使用言語は中国語です。しかし、それが全てではありません。香港の公立小学校は日本に比べて多様です。英語で授業を行い、香港人だけでなく欧米人やアジア人が通う公立小学校も存在します。もちろん中国語も学ぶことが可能です。また、公立小学校と一口に言っても運営している団体の宗教は様々です。カトリック系が最も多いですが、プロテスタント系、仏教系、イスラム教系も存在し、授業内容にも影響します。
日本人学校は、日本の小学校と同等の授業内容を日本語で学ぶことができます。もし英語を学ぶ必要性を強く感じないのであればお勧めです。

給食がない!?学校文化の違いについて

香港と日本の小学校にも、同じ部分があります。
例えばお揃いの体操服を着て運動することです。ですが、香港ではそれだけではなく、小学生でも制服を着ています。小学生が制服を着用しているのは日本では珍しいかもしれません。
小学校といえば給食を連想する人も多いでしょう。しかし、香港の小学校には給食がありません。お弁当が必要というのは、用意する側としては注意すべきポイントです。
一般的に香港では学校行事に力を入れていません。その代わりに小学一年生の時から机に向かって勉強することを重視しています。
入学式さえない公立校がある一方で、同じ香港でも日本人学校では学校行事が充実しています。運動会や社会科見学など様々な催しがあります。
他にも、日本では集団登下校が当たり前となっていますが、香港ではバス通学が一般的です。また、欧米式の授業内容を取り入れているところならば、いわゆる日本の受け身の授業と違い、自ら発言してプレゼンテーションを行ったりします。

様々なニーズに応えてくれる香港

世界各国から大勢の人達が移住する香港は、小学校一つ取ってみても、日本以上にバリエーションに富んでいます。きっと子供を通わせたいと思えるような小学校が見つかることでしょう。ぜひこの記事のポイントに留意して、学校を探してみてください。

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